初期費用を構成する要素

初期費用を安くしたいのであれば、まず初期費用がどんなものから出来ているのかを知る必要があります。
今回は5つの項目に分けてご説明いたします。
前家賃
契約開始日からおおむね1ヶ月分の家賃です。
いきなり引き落としの登録をするのは難しいため、初期費用で支払います。
礼金・敷金(修繕費、クリーニング代等も含む)
礼金は漢字の通り、オーナーへのお礼のお金。敷金や修繕費等のお金はあなたが退去した後のお掃除や原状回復に使われます。
これがないと万が一、夜逃げされたりした場合にオーナーは困ってしまうため前払いのところが多いです。
仲介手数料
お部屋を紹介してくれる不動産仲介業者の手数料です。仲介業者の人件費やネットの掲載費用等の運営費になります。
保証委託料
個人で部屋を契約する場合は保証会社への加入が原則必要になります。
【保証会社についてはこちら】
保証会社を使う場合はそこに対しての登録料のようなものが必要になります。
それがこの保証委託料です。
初期費用で支払う金額は総賃料(家賃や共益費等の毎月支払う金額の合計)の30%から100%程度とバラつきがあります。
その他の費用
ここには鍵交換代や消毒施工、火災保険料等が入ります。
任意のものも多いので担当の人へ確認してみましょう。

初期費用を安くするポイント
「初期費用を安くしたいけど交渉するのは苦手」そんなかたでも大丈夫です。
初めから初期費用が安い部屋を探してもらえば良いのです。
先程説明をした5つの要素を上から見ていきましょう。
前家賃
これを無しにする方法は、【フリーレント】です。
フリーレントが使用可能なお部屋なら前家賃を大幅に下げることができます。
礼金・敷金(修繕費、クリーニング代等も含む)
最近では礼金や敷金無しのお部屋が増えていますが、敷金に関してはクリーニング代や補修費などと名前を変えて初期費用で請求されることが多いです。
物件によってはクリーニングの料金を後払いすることができます。
どうしても初期費用を抑えたいときは後払いできるお部屋を探してもらいましょう。
仲介手数料
多くの業者が家賃の1ヶ月分を請求してきますが、ここは確実に下げれます。(ここだけは交渉が必要)
大手では少ないですが仲介手数料無料の業者もあります。どうしても大手の業者で契約したい場合は無料の業者で見積りを取った物を持っていきましょう。
かなりの減額が期待できるはずです。
保証委託料
個人で契約する場合はほとんど必須でかかってしまいます。
まれにキャンペーンで初回保証料を貸主が負担してくれるところもありますが、この費用は必要経費として覚悟しましょう。
その他の費用
前述したとおりここは任意のものが多いですが、鍵交換代がある場合は強制のことが多いです。
不要なものは全てカットしましょう。
実例紹介

これは私が実際に経験したケースです。
参考にしてください。
独り暮らしで即入居できるお部屋をさがしていたお客様。
何やら訳アリのようで、住所はあるものの現在は漫画喫茶を転々としているとのこと。
初期費用で用意出来るのは8万円まで。
通勤距離以外は築年数やお部屋の広さには特にこだわり無し。というもの。
ここでのポイントは現在お支払できる金額を正直にお伝えいただけたこと。
決定したのは家賃4万円の1ルーム物件。
お客様からは一切値段交渉などありません。
初期費用8万円。ただそれだけです。
まず私がしたのは敷金礼金無しの物件でしぼり込み。これは最低条件ですね。
そして家賃にフリーレントが使える物件且つ
仲介手数料が0でもある程度利益が見込める物件です。
実は、我々のような不動産仲介業者の売り上げは仲介手数料だけではないのです。
借主からもらう仲介手数料以外に、管理会社やオーナー様からAD(広告料)と呼ばれるお金がもらえます。
だいたい家賃の1ヶ月分~という物件が多いですが、家賃が安い物件や決まりづらい物件の場合は家賃の2ヶ月や3ヶ月分のADが設定されていることもあります。
正直このお金をもらえるか、もらえないかで仲介業者のモチベーションは大きく変わります。
ADが多い物件は結果的に多くのお客様に紹介され、お部屋が決まりやすくなります。
空き家になるリスクを考えれば、オーナーの立場上、ADを払ってでも早く空室を無くしたいのです。
ちなみにこの時契約したお部屋は家賃3ヶ月分のADが設定されていました。
仲介手数料をもらえなくても12万円の売り上げが上がります。
結果的にそのお客様が支払った費用は
フリーレントで足りない分の家賃15000円ほど
保証委託料20000円、鍵交換代15000円、火災保険二年で15000円程度。
以上約65000円ほどでした。
退去するときの清掃代は後払いの物件だったため予想以上に安く抑えることができ、大変満足されていました。
初期費用をどうしても安くしたいという方は
「物件を探してから初期費用を交渉する」という通常の流れではなく
「初期費用が元々安い部屋から選ぶ」というのも一つの方法です。
まずは手始めに敷金・礼金なしの条件で絞り込んでみましょう!!

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